身体の中には,色々な種類の雑菌がたくさん住んでいます。
その雑菌たちは,いつも居るので悪さはしないのですが,体調が悪くなり免疫系が落ちた時などに増殖して身体に影響をおよぼす雑菌もいれば,少しの数居るだけで身体に悪影響をおよぼす雑菌など,いろいろな種類の雑菌がいます。
雑菌の中で,口臭となんらかの関係があるのでは?と言われている雑菌がいて,その雑菌による口臭をピロリ菌の口臭と呼んでいます。
このピロリ菌の口臭とはどのような口臭を言うのでしょうか?ピロリ菌の口臭とは,ピロリ菌が身体にいるせいで起こると言われている口臭のことで,ピロリ菌とは,ヘリコバクター・ピロリという細菌のことです。
このピロリ菌の形状はらせん状で,グラム陰性菌に属しています。
このグラム陰性菌とは,歯周病の原因だと言われている細菌と同じものです。
ピロリ菌の口臭とは,ピロリ菌が直接の口臭の原因なのではありません。
ピロリ菌の口臭の原因は,ピロリ菌のせいで胃や腸が悪くなった場合に起こる口臭のことをいうのです。
ピロリ菌は,胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因だといわれていて,口を通して感染していき,40代以上では80%ほどの人が,このピロリ菌に感染しているといわれているほどの細菌なのです。
ピロリ菌の口臭は,このピロリ菌の感染により,胃潰瘍や十二指腸潰瘍,また胃ガンなどにかかってしまったことにより起こるといわれています。
胃腸の調子がよくないせいで,舌苔が出来て,それが口臭の原因などになるといわれているのです。
しかし一方で,ピロリ菌の口臭について,ピロリ菌と口臭に明らかな関係はないのでは,としている医師などもいます。
胃腸が悪くなるような原因はピロリ菌の他にもある為,胃腸が悪くなった原因が必ずしもピロリ菌のしわざではないということ,さらに,口臭が認められた患者の口膣内から,ピロリ菌が検出されなかったことなどが,その理由です。
しかし,そのまた一方ではピロリ菌の口臭が疑われる患者の口膣内からピロリ菌が検出されたという例もあるので,ピロリ菌の口臭というものはまだハッキリとしない種類の口臭だといえそうです。
しかし,ピロリ菌によって胃腸が悪くなり,その結果口臭が発生する可能性があるというピロリ菌の口臭を未然に防ぐのであれば,ピロリ菌を除去する作用のある歯磨き粉を使用する,また食物などでピロリ菌を除去する働きのあるものを摂取するなどすることにより,防ぐことができるといえます。
ピロリ菌の口臭は,まだ未知の部分が多い種類の口臭ですが,ピロリ菌の口臭を防止するため,普段からピロリ菌除去についての知識を有しておくとよいかもしれません。
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