日本国内でクレジットカードが使用されるようになってから、もう既に半世紀ほどの年月が経過しています。
日本の金融機関には、公的金融機関と民間金融機関の二つがあり、民間金融機関はさらに、預金を取り扱う銀行のようなものと、さまざまな業態を含むノンバンクとに分類されます。
ノンバンクというのは「個人や法人に対して、預金などの受け入れを行なわずに融資業務を行う金融機関」ということができ、クレジットカード会社をはじめ、信販会社やリース会社、消費者金融などのことを指す用語です。
バブル崩壊後、消費者向け金融サービス産業は、時代の要求や消費者のニーズに合わせたサービスを充実させて着実な成長を遂げました。
現在の金融業界にはメガバンクの再編など大きな変化が訪れていますが、消費者向け金融サービス産業においても、クレジットカード業界や信販業界、銀行、消費者金融などによる再編や統合の動きが活発化しているのです。
現在ではクレジットカードはすっかり普及・定着し、ほとんどの人の財布の中に、数枚のクレジットカードが入っているという状況になっています。
このように消費生活を便利なものにするクレジットカードが最初に世にあらわれたのは、1910年頃のアメリカでのことと考えられています。
当初のクレジットカードは、大手百貨店やホテル、航空会社石油元売会社といった企業が、売掛金の勘定にかかる事務処理を軽減することや、顧客ごとの取引データを効率的に保存・管理して顧客の囲い込みをはかるというようなことを目的として発行されたようです。
またクレジットカードは、大規模な取引を行なうことができる経済的余裕の表れとしてとらえられるようにもなり、クレジットカードを利用して決済を行なうことが一種のステータスになるという副次的効果も生まれました。
クレジットカードはこのような段階を経て、一般社会にも幅広く浸透するようになったというわけです。
世界恐慌や第2次世界大戦などの影響を受けて一時は下火になったクレジットカードですが、1950年に設立されたダイナースクラブが、復活のきっかけを作りました。
ダイナースクラブは、世界で初めてアメリカで設立されたクレジットカード会社です。
富裕層をターゲットとしたクラブであったため、高いステータスを求めるビジネスマンなどに人気を呼びました。
そしてクレジットカードは、今では個人の信用力を表す重要な指標にまで成長しているのです。
[前の記事]・現代クレジットカード事情
[この記事]・クレジットカード産業の将来
[次の記事]・クレジットカードの種類