オンアス取引というのは、クレジットカード業界でよく耳にする用語の一つです。
これは、アクワイアラーと呼ばれる加盟店契約会社と、イシュアーと呼ばれるクレジットカード発行会社が同じ会社系列にあるときのクレジットカード決済取引業務のことを差す言葉です。
クレジットカードの契約関係として、それぞれの小売り店とイシュアーとの間に結ばれる加盟店契約があります。
さらにアクワイアラーと、カードホルダーと呼ばれるカード利用者との間にはクレジットカードの会員契約があります。
加盟店契約と会員契約を取り交わしたこの三者が当事者となって取引をするというのが、よく見られる一般的なクレジットカードの仕組みです。
クレジットカードの会員契約は、立て替え払いを基本とするものです。
会員が加盟店でカードを利用した代金を、利用者に替わってカード会社が一括で決済します。
この仕組みを債権譲渡と呼ぶこともあります。
立て替え払いされた代金は後日、利用者がクレジットカード会社に支払うことになります。
クレジットカード会社の発行するカードを持つ会員は、加盟店契約を結んだ加盟店でカードを利用することができます。
クレジットカード加盟店は、会員の利用にかかった料金を、後でカード会社に請求することになります。
クレジットカード決済の仕組みの中では、加盟店契約と会員契約がそれぞれ独立して業務を進めるようになってきているようです。
オンアス取引は業界で使われる言葉ではありますが、カードホルダーも、正しく安全にクレジットカードを利用するためにはクレジットカード決済で実際にどのようなことが行なわれているかといった程度の知識は持っていた方が安心と言えるかもしれません。
ここでもう一つ、別の用語について見ていきましょう。
「インターチェンジフィ」というのは、イシュアーがアクワイアラーから受け取るクレジットカードの手数料のことを差す言葉です。
国際ブランドの場合は、アクワイアラーと同じようにイシュアーにもインターチェンジフィが発生することになります。
異なる国際ブランド間においてもインターチェンジフィが発生するケースというのもあります。
イシュアーとアクワイアラーが同一の系列の場合はオンアス取引となることもあります。
クレジットカード会社ごとの契約やシステムによって、インターチェンジフィは違ってくるものですが、基本的には締め日ごとの請求金額により発生する場合と、1件の処理で計算する場合とがあります。
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